株式会社コスモス国際マネジメント



新着情報(2015年07月06日)


中国がコストシェアリング契約に関する公告を発行

中国の国家税務総局(SAT)は、2015年6月16日付で「中国国家税務総局 コストシェアリング契約管理規範化に関する公告([2015]第45号)」(以下<公告>)を発行しました。今回の公告は「特別納税調整実施弁法(試行)」第69条の内容を更新するものです。

コストシェアリング契約とは?

コストシェアリングとは、多国籍企業が支出した研究開発費やマーケティング費用を、実際にそれら費用を拠出した拠点(通常は本社)とそれ以外の海外子会社で分担し、その代わりそれら費用拠出により形成された無形資産(技術ノウハウやブランドネームなど)から生じた収益を費用分担の割合に応じて分けるという取引形態です。つまり、研究開発費用などの無形資産形成費用を最初から分担していれば、形成された無形資産も費用の分担割合に応じて拠点間で共有されるので、無形資産の対価として海外子会社が本社にロイヤルティを支払う必要が無くなるというものです。欧米企業では、本社と低税率国にある子会社がコストシェアリング契約を締結し、低税率国子会社に利益を集める節税目的で使われることが多く、議論の対象になっています。

中国でも、移転価格税制である「特別納税調整実施弁法(試行)」第64〜75条でコストシェアリング契約が規定されています。但し税務機関への届け出と国家税務総局の審査を受ける必要があり、また取引金額にかかわらず同期資料を提出する必要があるなど、事実上中国でコストシェアリングを行うのはかなりの事務負担が必要です。

本公告の目的

行政プロセスを単純化する一方、コストシェアリング契約後の管理を強化します。

本公告の内容

本公告の内容は以下の通りです。

一、 企業は関連者とコストシェアリング契約を締結(変更)する際、税務当局に契約書を提出しなければならないか?

企業は関連者とコストシェアリング契約を締結(変更)する日から30日内に、主管税務当局にコストシェアリング契約のコピーを提出し、そして年度企業所得税納税申告の際、「中国企業年度関連者取引業務往来報告書」を添付しなければなりません。但し、提出時の国家税務総局による審査はなくなりました。

二、 企業はコストシェアリング契約を実行した場合、税務当局からの調査を受けるか?

税務当局はコストシェアリング契約後の管理を強化し、独立企業間原則と費用収益対応原則に合致しなかったコストシェアリング契約について、特別納税調査・調整(移転価額税務調査及び更正の意)を実施します。

三、 企業がコストシェアリングの実施期間において、補償調整をする必要があるか?

企業がコストシェアリングの実施期間において、参加者が実際に受ける収益と分担するコストが対応しない場合、実際の状況に応じて補償調整をしなければなりません。企業が補償調整をしなかった場合、税務当局は特別納税調査・調整を実施します。

四、 本公告の規定はいつから実施されるか?

本公告は2015年7月16日から実施されます。「特別納税調整実施弁法(試行)」第69条は同時に廃止します。

本公告のポイント

                        

現行の規定との比較

一、 事前届け出プログラムを単純化し、審査判定制を取り消した代わりに、契約後の管理を強化しました。

二、 「中国企業年度関連者取引業務往来報告書」を添付する要求が新たに加わりました。

三、 「独立企業間原則」と「費用収益対応原則」に従う事を再度強調しました。

本公告は上記二つの独立企業間原則と費用収益対応原則を重視していますが、それらに関する実務的な問題、例えば、「独立企業間取引価格」の算定方法等の問題についての具体的な解釈は示していません。

本件についてご不明な点がありましたら、弊社までご遠慮なくご連絡ください。

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