株式会社コスモス国際マネジメント



新着情報(2014年12月31日)


平成27年度税制改正大綱〜国際課税

今月に行われた衆議院選挙の影響で遅れていた平成27年度税制改正大綱が、12月30日に与党(自民党・公明党)により発表されました。今回は、法人税率の段階的引き下げが決定する一方、中小企業の軽減税率については今後の見直しを示唆しながら据え置きと、大企業優遇の色合いが強い内容になっているとの印象を受けます。一方個人税分野については、相続税の基礎控除大幅縮小、所得税の最高税率引き上げ、消費税の2017年4月に10%への引き上げ決定(景気判断条項無し)など、全体的には増税傾向が強まっているとの印象を受けます。

国際課税分野に関しては、国外事業者が国境を越えて日本で行う電子商取引を消費税の課税対象とする改正(2015年10月より適用、外国法人を対象)、及び居住者の出国時における有価証券等の未実現益へのみなしキャピタルゲイン課税制度の創設(2015年7月より適用、保有する有価証券等資産が合計1億円以上の個人富裕層を対象)が注目されます。それ以外の国際課税分野については、移転価格税制に関する改正が無い等今回は比較的小幅な改正ですが、概要は主に以下の通りです(以下、大綱より主な部分を抜粋):

1.外国子会社配当益金不算入制度の見直し

内国法人が外国子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす外国法人)から受ける配当等の額で、その配当等の額の全部又は一部が当該外国子会社の本店所在地国の法令において当該外国子会社の所得の金額の計算上損金の額に算入することとされている場合には、その受ける配当等の額は外国子会社配当益金不算入制度の適用対象から除外されます。
(2016年4月1日以後に開始する事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額について適用。但し既存の外国子会社についてはその後更に2年間の猶予措置有り。)

2.非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の整備

国際的な脱税及び租税回避を防止する観点から、非居住者の金融口座情報を租税条約等に基づき各国税務当局と自動的に交換するため、金融機関に対し非居住者の口座情報の報告を求める制度を整備します。
(2017年1月1日より適用)

3.店頭デリバティブ取引に係る証拠金の利子の非課税制度の創設

外国金融機関等が、国内金融機関等との間で2018年3月31 日までに行う店頭デリバティブ取引に関して当該国内金融機関等に預託する証拠金で一定のものにつき支払を受ける利子について、非課税適用申告書の提出等を要件として、所得税を非課税とします。
(2015年7月1日以後に支払を受けるべき利子について適用)

4.外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)の見直し

(1)特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税率)を20%未満(現行20%以下)に変更します。“以下”から“未満”への僅かな変更ですが、これは英国が2015年4月より法人税率を20%に引き下げる予定であることから、英国に配慮したもの(20%“未満”にすれば、英国子会社が特定外国子会社に該当しなくなる)と思われます。
(特定外国子会社等の2015年4月1日以後に開始する事業年度から適用)

(2)適用除外基準についての見直し−事業基準の判定における被統括会社の範囲に、特定外国子会社等が発行済株式等の50%以上を有する等の要件を満たす内国法人を加えます。但し、被統括会社の内2社以上は外国子会社でなければならず、また全ての被統括会社の内株式帳簿価格ベースあるいは統括業務への対価支払額ベースで50%超は外国子会社の被統括会社が占めている必要があります。更に、非関連者基準の判定上、卸売業を主たる事業として営む統括会社が内国法人である被統括会社との間で行う取引については、関連者取引に該当するものとされます。外国法人の被統括会社と統括会社との間の取引は関連者取引に該当しないとみなされるのとは対照的であり、内国法人の被統括会社については厳しい扱いとなっています。
(特定外国子会社等の2015年4月1日以後に開始する事業年度から適用)

5.国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

平成26年度税制改正で措置された国際課税原則の帰属主義への変更(2016年4月1日施行)が円滑に実施されるような措置を講じます。

6.クロスボーダーの組織再編成に係る適格性判定の特例の見直し

合併等の組織再編成に係る適格性を判定するための特定軽課税外国法人の定義について、トリガー税率をタックスヘイブン税制の上記改正にあわせ20%未満(現行20%以下)に変更します。

※平成27年度税制改正大綱の詳細は、自由民主党のウェブサイトからダウンロードできます。

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