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新着情報(2014年11月25日)


国税庁が「平成25事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要」を発表

国税庁は2014年(平成26年)11月20日付で「平成25事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要」を発表しました。日本企業や日本人の海外進出、海外投資が益々加速する中、海外に所得や資産を移しながら適正に申告を行わない租税回避行為の捕捉・摘発のため、国税庁は低税率国・地域をはじめとする諸外国の税務当局との租税情報交換協定、あるいは情報交換規定を主体とする租税協定等の締結を最近積極的に推進しています。このような海外税務当局との情報交換実績を公表し、海外所得捕捉に関する国税庁の積極的姿勢を世間に知らしめる事により、海外所得隠しの事前予防効果もあるものと考えられます。なお、昨年までは4月〜翌年3月の年度ベースでの発表でしたが、今年からは国税庁の事務年度(7月〜翌年6月)ベースでの発表となりました。

本発表の概要は、以下の通りです:


(1)要請に基づく情報交換

「要請に基づく情報交換」は、個別の納税者に対する調査において、国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に、条約等締結相手国・地域の税務当局に対し、必要な海外取引情報、取引銀行の情報等の収集・提供を要請するものです。

平成25事務年度(平成25年7月〜26年6月)における、日本の国税庁から外国税務当局に発した「要請に基づく情報交換」の要請件数は720件と、平成24事務年度の535件から約35%増加しました。内訳としてはアジア・大洋州向けが469件と65%を占め、残りが米州向け(191件)、欧州その他向け(60件)となっています。一方、外国税務当局から日本側に寄せられた「要請に基づく情報交換」の要請件数については、平成25事務年度は106件と前事務年度の151件と比べて減少しました。

但し、これらは全て要請件数であり、実際に情報を取得した件数ではありません。最近締結されている一連の情報交換規定では、要請された情報を提供するか否かの最終判断は基本的には要請を受けた側の税務当局の判断に委ねられていることもあり、実際にどの程度情報が要請側の当局に提供されたのかについては本発表からは明らかではありません。


(2)自発的情報交換

「自発的情報交換」は、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供するものです。

平成25事務年度における、日本の国税庁から外国税務当局に提供した「自発的情報交換」の件数は6,881件と、前事務年度の472件の14倍以上へと急増しました。同様に、外国税務当局から国税庁に提供された「自発的情報交換」の件数は3,062件と、これも前事務年度の92件の33倍へと急増しました。OECDが国際的な租税回避防止のため世界の主要国の協力を得て昨年から本格的に推進中の対BEPS(Base Erosion and Profit Shifting、税源浸食と所得の移転)プロジェクトにおいても、租税回避データの収集については課題の一つとなっている事もあり、各国税務当局とも情報交換に対し積極的に取り組んでいる事がうかがえます。


(3)自動的情報交換

「自動的情報交換」は、法定調書等から把握した非居住者への配当、不動産所得、無形資産使用料などの支払等に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。

平成25事務年度における、日本の国税庁から外国税務当局に提供した「自動的情報交換」の件数は約12万6千件と、前事務年度の約9万1千件から4割近く増加しました。同様に、外国税務当局から国税庁に提供された「自動的情報交換」の件数は約13万3千件と、これも前事務年度の12万5千件から約6%増加しました。増加の理由としては、上述した「自発的情報交換」の場合と同様、世界的な租税回避防止を目的とした対BEPSプロジェクトのもとで税務当局間における協調的な取り組みが強化されている事があげられます。


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