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2014年11月:アイルランドが「ダブル・アイリッシュ」適用を廃止

アイルランドは10月14日、“Double Irish(ダブル・アイリッシュ)”スキームを来年2015年1月より新規参入企業には適用しない事を発表しました。但し、グーグルやLinkedInなど既にダブル・アイリッシュを適用している企業は、2020年までの適用が認められます。


このダブル・アイリッシュについては以前(JAS月報2010年12月号)紹介しましたが、以下の通りグーグルを例に再度説明します。

ダブル・アイリッシュの仕組み


(1)Google Ireland Ltd.はグーグル米国外広告事業の主体となっており、日本など米国外における広告収入の殆どを計上しています。

(2)Google Ireland Ltd.は、上記広告収入の大部分をロイヤルティとして無形資産管理会社であるGoogle Ireland Holdingsに支払います。


Google Ireland Holdingsはアイルランドで設立されたものの管理支配はバミューダで行われています。従来アイルランドの税制では管理支配が国外で行われている企業は法人税納税対象外でした。よって、グーグルの米国外事業収益の殆どは無税国のバミューダで計上され、法人税率が12.5%と非常に低いアイルランドでさえ僅かな税金しか納めていませんでした。なお、オランダを経由した支払(通称ダッチ・サンドイッチ)としているのは、こうすれば租税条約やオランダ税法により源泉税もゼロとなり完璧な節税となるからです。


しかし、今後はアイルランドで設立された企業は管理支配地に関係なくアイルランドで課税される事になります。米国系多国籍企業による巨額の節税を助長しているとして国際的にアイルランドへの批判が高まっていた中、ダブル・アイリッシュを廃止することにより外国からの投資が減少するリスクを負いつつ、同国としては苦渋の決断であった事でしょう。

(執筆:株式会社コスモス国際マネジメント 代表取締役 三村 琢磨)

(JAS月報2014年11月号掲載記事より転載)

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