新着情報(2022年12月16日):令和3事務年度における国際課税の状況(国税庁発表資料より)
国税庁は2022年12月、「令和3事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。
令和3事務年度(2021年7月~2022年6月)は、新型コロナウィルス感染拡大は続いているものの、それに伴う外出制限等が緩和されてきた為か、法人税・消費税全体の実地調査件数は前事務年度の25千件から63%増の41千件となりました。
そのような中、国際課税の状況については以下の通りです。
(1) 海外取引法人等に係る実地調査の状況
海外取引全般に係る実地調査件数も前事務年度の4,569件から6,676件(前年度比46%増)となりました。それに伴い、非違があった件数も1,424件→1,752件(同23%増)、申告漏れ所得金額についても1,530億円→1,611億円(同5%増)と増加しましたが、件数に比べて金額の増え方が少なかった事から、1件当たり申告漏れ所得金額は前年度の1.1億円から0.9億円へと減少しました。
(2) 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)に係る実地調査の状況
タックス・ヘイブン税制については、非違があった件数は前年度46%増の54件でしたが、申告漏れ所得金額は前年度比3倍以上の297億円となり、1件当たり申告漏れ所得金額は2.5億円→5.5億円と大きく増加しました。
(3)移転価格税制に係る実地調査の状況
一方、移転価格税制については、非違があった件数は前年度比15%増の154件でしたが、申告漏れ所得金額は333億円と前年度比34%減少した為、1件当たり申告漏れ所得金額は前年度の3.7億円から2.2億円へと減少しました。
(4) 移転価格税制に係る事前確認の申出及び処理の状況
移転価格税制に係る事前確認(“APA”)の申出及び処理の状況については、申出件数(135→175件)は前年度比増加しましたが、処理件数(121→99件)は前年度比減少しました。よって申出件数の方が処理件数より多い状況は更に加速し、繰越件数は前年度比76件増加し過去最高を更新する539件となりました。